映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

中村義洋 監督「白ゆき姫殺人事件」1306本目

原作とは、まとめ方が違うけど、面白い。

原作のことをいうと、湊かなえだから、およそ情感や温かみというものはない原作だったけど、SNSの中にしかない狭くて暗いいリアルを描いて、読む人をゾッとさせる読み応えがありました。

赤毛のアンのエピソードや、終盤の小学校のときの親友との関わり、赤星と彼女との出会いなどは明らかに映画版で新しく追加されてたけど、こういうまとめ方はアリかなと思います。
突き放すような原作を、映像で一見さんが見るときは、もう少し優しさが欲しいもん。「告白」だって冷酷な原作だったけど、どこか感情が感じられる作りになってた。

菜々緒井上真央蓮佛美沙子貫地谷しほりも良かった。綾野剛は、チャラい演技のときの彼がよく出てた。
ただ、映画を初めて見る人には、オチがあっさりと語られすぎて、ひょっとすると見逃してしまいそうなくらいでした。