映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

クリント・イーストウッド 監督「ヒアアフター」2264本目

なんておそろしい。冒頭の映像、すごいですね。本物の津波を起こすことなく、こんな映像が撮れるんですね、今は。30年前の人なら、記録映像だと思って恐怖に震えたんじゃないでしょうか。

でもこの映画はいつものクリント・イーストウッドのドラマよりちょっと深入りして、「死後の世界」を描きます。日本ではあまり違和感のないテーマだけど、欧米でこれをやってしまうと、それこそ劇中のフランス女性のように、「現実をすっ飛ばしてあっち行っちゃった人」という扱いを受けるのかも。私は個人的には、身体から魂が出てもしばらくはさまよってるかも、と思ってますが、その後永遠があるとか、まったく同じ魂で生まれ変わる、というところまではイメージできません。。。

しかしこの映画の結末は、あまりに「続く」感が強すぎて、なんと言ったらいいか・・・。あえて深入りしないという判断だったのかな。「???」という気持ちになってしまったのは否定できないですが、リアルな人生ってのはそういうものだ。誰も先が見えない、せいぜいいい予感か悪い予感くらい、という中で不安な胸を抱えてるものだ、ということなのかな。

8年も前の映画だけど、その後のイーストウッド監督の映画にこの映画の影はないな。この後がどうも気になるけど・・・。

ヒア アフター (字幕版)

ヒア アフター (字幕版)