中南米こわいな。いや、今はどうなんだろう。
「バリー・シール」は同じテーマの作品だけど、アメリカ側の協力者についてアメリカ目線で描かれていたので、中南米の闇については、「あとはムニャムニャ…」という感じでわからないままでした。「麻薬王」なんて、なぜまだいるのよ。情報がネットで筒抜けになる時代には、ここまでの巨悪は育ちにくい、というより考えられないと思います…。Wikipediaとか見てると、今はゲリラ的な小規模の麻薬密輸組織がぽつぽつとあるだけで、巨大な組織はもうないとのこと。ぎりぎり20世紀の終わりまでに存在した、政府ほどの大きさと力を持った大物の物語です。
カナダ人の存在はおそらくほぼフィクションだと思うけど、彼がいたとしたらエスコバルが取ったであろう行動、判断は多分この通りだっただろう。
普通のイノセントなカナダ人青年(ジョシュ・ハッチャーソン。ハンガー・ゲームでカットニスのパートナーをやってた)とエスコバルの姪の生き生きとした女性マリア(クラウディア・トレイザック)がチャーミングで、つい共感してしまいますね。
それにしてもベニシオ・デル・トロ、どーんと迫力があります。彼の出る映画は骨太で甘くない作品が多いですね。彼自身、問題意識の強い社会派なのかな。