映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

パスカル・ボニゼール 監督「華麗なるアリバイ」2836本目

ひとりアガサ・クリスティ特集はつづく。

これはフランスで作られた、という点が異色で、いろんな面がいかにもフランスらしくて良いですね。

色男ランベール・ウィルソンは先日「9人の翻訳家」を密室に閉じ込めた出版社の人だ。確かに、女なら誰でもふらっといきそうないい男です。その妻は繊細そう、愛人は奔放なアーティスト、元愛人の女優は黒髪と抜群のスタイルのイタリア系。

<以下ネタバレ>

トリックは理解できたけど、たくさん張った伏線は回収してくれないし、解説も足りないなぁ。すごくあっさり、スルスルッと進行してサラっと終わりました。(嫌いじゃない)

あの人が犯人をかばったのは、被害者が「彼女をよろしく頼む」って言い残したからかな、そこもうちょっとはっきり言ってほしかったな。ジョン・ベルーシ(懐かしい)っぽい、酒で完全に記憶をなくすフィリップの症状についての説明が一言ほしい、そして、上品な記憶喪失患者エマニュエル・リヴァもビッグネームすぎて、放置のまま伏線でもなかったのは寂しい。

何でも言うことを聞く女優の運転手も確かに怪しかったけど、妄想質なのは犯人の彼女かも。彼女なら証拠隠滅したり、誰かに罪を追わせたりする計画も立てられそう。

ミュウ・ミュウってすごくパリのセンスのいい女性ってイメージで、ショートカットなのもいい感じ。自然な年の取り方をしてるなぁ。パーティを主催するときは赤いシャツ、家でくつろぐときはオーガニックな感じの紺のえりなしワンピースって、なんか私の若い頃みたいな服装だな。私もまだ着られるかしら…。

アガサ・クリスティー 華麗なるアリバイ [DVD]

アガサ・クリスティー 華麗なるアリバイ [DVD]

  • 発売日: 2010/12/03
  • メディア: DVD