映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アンヌ・フォンティーヌ 監督「美しい絵の崩壊」3515本目

<結末にふれています>

私の大好きなナオミ・ワッツと「コングレス未来学会議」のロビン・ライトか。監督は女性。彼女がオドレィ・トトゥで撮ったココ・シャネルの映画はピンとこなかったけど、この作品はどうだろう。

ナオミ・ワッツ演じるリルとロビン・ライト演じるロズ、同じブロンドながらタイプが違って確かに今も魅力的だと思う。目尻に小ジワがあっても、どこか可愛い。外の世界から隔離されたような美しい浜辺で4人で暮らしてれば、そんなこともあるかもしれない。バブルの頃に日本でも不倫の小説を書いてる女性の作家が何人かいた記憶がある。よくこんな小さな島国で、そんな目立つことを・・・と心配になる私も島国根性なのかな。

リルとロビンが、「私たち何をやってるのかしら」と戸惑いつつ、今までにないくらい幸せ、と微笑むっていう設定は女性にしか共感できないかも。若くて美しい青年たちが、妻と子どもより母たちを選ぶことも。誰かに激しく愛されることの幸せを追求したオバちゃんの夢の映画なのかな。ナオミ・ワッツに感情移入しながら見る分には幸せだけど、これをおじさんたちが見たら反感持つだろうな、と考えてしまう自分もいます。

一番気の毒なのは、若い妻たちと子どもたちだよなぁ・・・。