2005年公開作品。
いいですね、若くてバカで熱くて。監督の人間性がどば〜っとあふれて、見ているだけであったかくなるような映画です。脚本も自分で書いてるんですね。そういえばせりふがみんな、監督が自分でしゃべってるような口調です。
見直してみて2回目に思ったのは、構成の出来の良さ(クライマックスに向かって各エピソードがそれぞれ高まって行く感じとか)、登場人物の描き方の素直さ。撮影は、なんとなく昔の日本映画のような印象があって、(泣きながら電話している場面とか)情感がとても伝わってきます。映画っていうひとつの世界として、完成度が高いですね。
全体を通して、“過去のことがあるから難しいけど、泣きながら、必死に仲良くなろう、愛し合おうよ、若者たちよ!”というようなメッセージがありますが、監督の人柄のせいか、あまり説教臭くありません。
主人公は塩谷瞬少年なんだけど、冒頭30分くらいまで小出恵介少年と一緒にいる場面がほとんどで、小出少年のほうが目立ってます。小出少年、なんかものすごく顔なじみだなぁ・・・というのは「梅ちゃん先生」の竹夫にいさんだからです。竹夫はエリートで二枚目だけど、この映画ではおバカ高校生。力が抜けてていいけど、知的な感じはやっぱりありますね。彼は年齢を重ねてだんだん締まってきてる。塩谷瞬は少年っぽさが魅力の人で、この映画のころが一番チャーミングかも・・・。
主人公たちが朝鮮学校にサッカーの試合を申し込みに行ったときに、真木ようこといっしょにいる子はもしや・・・と思ったらやっぱり、「野田ともうします」で野田をやってる江口のりこでした。この人ほんと、いい。
桐谷健太が出てるというので探したら、ケンコバ演じる応援団長の手下の、変なカンフーやる奴だった。変キャラだけど目立ってるのは確かです。今なら高岡の役を桐谷がやるだろうなぁ。
「パッチギ」って頭突き、突き抜ける、って意味なんですってね。響きもポジティブな感じがするし、いいタイトルだと思います。以上。