映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

犬童一心監督「メゾン・ド・ヒミコ」165本目

2005年作品。

面白かった。
監督もいいんだろうけど、やっぱり渡辺あやの脚本は最高ですね。

「なにしてんの」
「いや、・・・キス」

「キスだけって言ったじゃないですか!」

「キスしていい?」
「・・・だめ」

なんかほんとに美しい田中泯
いつも怒ってる顔のサオリ。
オダギリジョーの演技には、ほんのりと自意識が感じられて、もう少しバカになってく
れると可愛いのに、と思います。

「おかまの老人ホーム」っていうテーマであと10本分くらいアイデアが出せそうだけど、渡辺あやの脚本は、仕上げが丁寧です。エンディングが、説教臭くなくていい。ズルいおかまの老人たちはそのまま、とんがっていつも怒ってる小娘もそのまま。全然まったく和解なんかしないけど、でも会いたくてたまらないからなんとかして呼び出す。それが現実だし、いちばんうまい流し方だと思う。

ピキピキ、ピッキー!(とくに意味なく)