映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

犬童一心監督「ジョゼと虎と魚たち」155本目

2003年作品。

ジョジョの奇妙な冒険とは別のお話です。って書かなくても、間違えるのは私だけか。すごく地味な作品だと思ったのに、AmazonのDVDに190もコメントがついてるところを見ると、大層メジャーらしい。

この映画の目玉は、わりと冒頭に現れる「野田ともうします」の野田役の江口のりこ(このときは徳子)のベッドシーンです。というのは嘘です。
犬童一心監督作品を見るのはこれが初めて。で、脚本は朝ドラ「カーネーション」の渡辺あやか。関西弁が自然でいいかんじです。

いい映画でした。人の心は、こんな風にぐっときて、ゆらゆらと動かされて、移りかわるものなんだよなぁ。“もののあはれ”のある映画です。移りかわりがあることを、悪いことのように言わないところが良い。若いころに見たら、「男って勝手!!無責任!!」って怒ったかもしれないけど、もう分別のある年齢ですから。

池脇千鶴演じるジョゼが、おばあと全く同じ口調でしゃべるのが面白い。二人だけでずっと暮らしてるんだから、そうなって当然です。(このおばあが強烈に怖くてヤバすぎる)・・・こういうディテールがしっかり作ってあるから、納得感が強い。

「いい映画でした」は何点くらいなんだろう。思い切って点つけできずに、いつもすごく良くもすごく悪くもない点しかつけてない気がする。点に関しては、試行錯誤中なので、いつかつけ直すかもしれません。以上。