映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アルフレッド・ヒッチコック監督「裏窓」711本目

グレース・ケリーは現代的で知的で美しいし、彼女と一緒にドキドキするけど、コアの「事件」のインパクトがわりと小さい。美しいグレース・ケリーが、療養中の彼氏のところに着てくるファッションショーのような豪華なドレスも、行き交うアパートの住人達も、たくさん出てくるけどコアなストーリーへのカラミがすごく少ない。DVDに入ってる「メイキング」や「インタビュー」を見てたら、原作はとても短い短編らしい。つまり、最小限の骨の部分がやっぱり、2時間近い映画にするには痩せてる、という私の実感と一致します。

ヒッチコックは本気のサスペンスじゃなくて、フランク・キャプラのように人生を肯定するドラマを作りたくなったのかな?

映画の中心となっている、中庭に面した窓ごしに住人どうしがつながっているような狭い世界にはとっても惹かれました。私もここに住みたい。
でも…期待せずに見たのに、うわぁ〜ってラストシーンで全身鳥肌立つ、みたいな映画が見たいです〜!