映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

テイ・ガーネット監督「郵便配達は二度ベルを鳴らす」1424本目

いくつもリメイクがあるけど、これは1946年の作品。
こういうひねりの効いた、人間を深く掘り下げる原作の映画は、白黒の昔の映画を輝かせます。
見てて胃の具合が悪くなるような、いや〜な感じ。
ヒッチコックオーソン・ウェルズだけじゃなくて、この時代にはこんな映画がたくさんあったんだな。

悪人って本当に面白い・・・。小心者の私には考えられない大胆な悪だくみ。
雲行きが怪しくなると、顔にそのまま出ててもいとも容易に寝返るし、金とか女とか世俗的な目の前のもののために簡単に犯罪を犯す。黙って隠れるとか、目立たないようにわきまえて暮らす、なんてありえないんだろうなー。

このバージョンでは、最後にフランクが「ベルを二度ならす」話をするのね。ある意味、まるで大団円のような結末が美しい。