映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アルフレッド・ヒッチコック監督「フレンジー」1064本目」

1972年の作品。

ロンドンに戻って制作されてるので、俳優さんの雰囲気とかは初期の作品のようだけど、追い詰められる人間心理をイヤラしく攻めるやりかたはハリウッド以降のもの。この映画では、若干刺激的なレイプシーンや、あえてみにくく演出した被害者の映像など、さらに大人向けになっています。印象的な映像が多いけど、ストーリーの完璧さよりも、瞬間瞬間に観客をビビらせることに熱心になってませんか?

この映画の当時の評価ってどうだったんだろう?「サイコ」「鳥」ほどは高評価されなかったのでは?と思ってキネマ旬報ベストテンを見たら、選外でした。でも「トパーズ」も「引き裂かれたカーテン」も選外。もっというと「サイコ」も実は入ってないし、それ以前のものもほとんど皆無でした。日本の批評家からは、思いの外ヒッチコック作品は評価されてなかったんですね。

など、この映画そのものとは関係ない発見があったのでした。