映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ダニー・ボイル監督「T2 トレインスポッティング」1532本目

きたきたきたーー!ずっと待ってたよ。
もう、好きなものは好き、としか言いようがありません。
エジンバラの男どもって、どうしてこうオッサンになってもバカなの。
ダイアンなんてお高そうな弁護士になってブイブイ言わせてるのに、彼らのだらしなさといったら。

それにしても、四人の俳優が昔同様の現役感のまま、20年ぶりに再結集できたのって、わりと奇跡的じゃないでしょうか?監督はもちろんのこと、脚本も同じです。つまり、第1作が若造たちが集まって作った映画だったということで、その若造たちは第1作のおかげもあってか、20年間この世界でガッチリと生き延びてきたということです。

映画の中で繰り広げられるのは、第1作同様、軽犯罪や重犯罪です。どいつもこいつも薬物漬けで犯罪者ですが、前作ではまだ若かったので更生の余地もあるかも、という呑気さがありました。みんなもう40台だし、足を洗う気配もなくこのまま歳をとるのかな、と感じ始めています。それにしちゃあ、20年も薬物中毒にしてはみんな顔色はいいしエネルギッシュだしバカだし、元気いっぱい。だからこの映画は清々しいんですよね。悪いことをしてる後ろめたさがカケラほどもない。だってバカだから。

こういう映画を見ると、ガマンしていい子になるのって本当につまらないことだなぁと思ってしまいます。
彼らのようにはなれないとしても、本来の自分の姿をさらけ出せる場所って大事だなぁ。
80点、「7ファクター」は楽だけかなぁ。

参考:第1作の感想はこちら

(注)7ファクタータグは以下の7つの指標で映画の特徴を客観的に表現しようとしたもの。 「美」美しさ、「黒」 腹黒さや悪徳、「苦」人生の辛さや哀しさ、 「楽」愉快・楽しい、「情」情感、温かさ、「新」表現、技術、アイデアの斬新さ、「謎」引き込む謎がある