映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

クシシュトフ・キェシロフスキ 監督「トリコロール 赤の愛」2640本目

青、白、と見たのでこれもまた見ました。イレーヌ・ジャコブすごく可愛いけど、青・白の二人の女性の強さを見せつけられた後だと頼りない気もする。(私もこんな頼りない女性だったはずなのに、ヨーロッパの映画ばかり見てると強いのが普通って感覚になってる)

内容は前に見たときの印象と変わらないけど、最後の「大団円」はこうだったっけと思い出した。ジュリエット・ビノシュとオリバー(そっちは役名かい!)のカップルはなんでドーバー海峡をイギリスに渡ってたんだっけ、ジュリー・ デルビーは疑いが晴れてカロル・カロル(本来の役名だ、偽造パスポートじゃなくて)と一緒に渡英中、そしてイレーヌ・ジャコブも渡航中だけどジュリエット・ビノシュの夫に彼女を寝取られた法律家の男性と一緒みたいだ。この二人の今後を予感させる終わり方ってことかな。

この監督って多くを語らないけど、作品のなかで芯の通った暖かさが一貫していて、安心して身を任せて見られるな。誰も不幸にならない、犬も死なない、盗聴愛好家は否定もされないけどちゃんと自分でもっと正しい道を選ぶ。もっとこの人の作品を、寄りかかって任せきって味わいたい…けど見るのが難しい作品が多そうだなぁ…。

トリコロール/赤の愛(字幕版)

トリコロール/赤の愛(字幕版)

  • 発売日: 2013/12/21
  • メディア: Prime Video