映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジャノー・シュワーク 監督「ある日どこかで」3602本目

「ゴースト」とかのちょっと切ないラブストーリーよりも前、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でタイムリープものの形が世界的に固定されるよりも前。ファンタジーにテクニカルな整合性をやたら求めるようになる前なので、時間は一方向に流れるというより行ったり来たりする。逆に「メッセージ」とか「インターステラー」みたいな時空のねじれありきの最先端SFに近い時空観になってるのが面白い。人間はガチガチな枠を与えられないほうが自由に発想できるのだ。想像は科学を超え、やがて科学が追い付く。

クリストファー・リーヴは私が子どもの頃に見たスーパーマン。大きくて強くてカッコいいアイドル的なヒーローで、この映画の中でも輝くような若さがあふれています。そしてジェーン・シーモアの気品ある美しさ。一枚の白黒写真だけで人を好きになることって、あってもおかしくないんじゃないかな?この映画は、この二人の間の思いを本物に見せることができれば、もう9割は完成してたと思います。突っ込みどころがたくさんあると言う人もいるし、収拾しきれないまま終わる気もするけど、このときの二人の輝きだけで十分、今も見る価値のある作品だと思いました。

ある日どこかで (字幕版)

ある日どこかで (字幕版)

  • クリストファー・リーブ
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