映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョン・ワッツ 監督「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」3656本目

見る順番をまた間違えた。スパイダーマンの「ホーム」シリーズの最新のだった。

トビー・マグワイアは見たかもしれないけど記憶がなくて、アンドリュー・ガーフィールドは見てない。おかげで前者はサイダーハウス・ルールとギャツビーの”傍観者”的イメージのままだったし、後者は「沈黙」や「シルバーレイク」で受難するイメージのままだった。・・・ていうことはつまり、弱そうな人がヒーローになるシリーズってことですね。

「エブエブ」の後に見てしまったので、別のバースの同一人物が一つの時空に存在してしまう無理筋はここから来たのか、と納得。(いまごろ)普通の少年とその学校の友達、賢い女の子とちょっとおっとりした男の子の3人組はハリー・ポッターシリーズ、いやこっちがその原型か。ジュブナイル作品の王道だ。

カンバーバッチは人智を超えた存在が地でいけそうな迫力。アメコミなのに主役も彼もイギリス人だ。ヒロインは様々な人種のルーツがあるクールなゼンデイヤ、親友くんはフィリピン人。40年後にジェイコブ・バタロンがアカデミー賞授賞式に登場したりするかな。しないかな。

アニメ版の「スパイダーバース」でも同じことを思ったけど、力のある配給会社が勢いのある制作陣を集めてちゃんとお金をかけて作ると、こういう豪華でエンタメ性の高い秀作が生まれるっていう好例じゃないでしょうか。

ただ・・・ウルトラマン大集合的な、ヒーローが集まる図って、最初はびっくりするけど、こればっかりだとそろそろ飽きられるので、次の手を考えなければいけないのでは・・・。最後の手を出しちゃったような感じもあるので、このあとのアメコミヒーローたちがどんな戦い方をするのか、興味あるというか心配です。