映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

児玉進監督「乱れからくり」3736本目

1979年の作品。主役の新米探偵に松田優作、その事務所の所長が野際陽子、刑事が田中邦衛。渦中の一族のメンバーは沖雅也、篠ひろ子、結城しのぶ、峰岸徹、老けメイクの岸田森。・・・と、素敵な役者さんたちの全盛期が見られてときめきます。映画全体の印象は、民放の単発ドラマのようで、筋やトリックはとにかくわかりやすく、あとは役者たちの感情で見せる、という、まぁ安易な感じの作りですが、とにかく彼らが素敵で。松田優作が、まだ若いのになんだか妙にすでに落ち着いていて、篠ひろ子は北川景子っぽく妖艶で、結城しのぶは輝くような美少女、そして沖雅也は見たこともないような美しい男性といった感じ。

これを見たのは、泡坂妻夫の小説をたまたまいくつか読んだら面白かったので、映画化されたものも見てみようと思ったのが理由ですが、緻密なパズルを解くような小説での楽しみは、映画ではまったく見られなかったな・・・。これ原作を読んだらかなり違う印象なんじゃないかしら。もし手に入ったら読んでみよう。