1995年の作品。ナタリー・ポートマンはまだ「レオン」の頃から間もない少女で、アル・パチーノの妻の連れ子。アル・パチーノはまだ不潔っぽいおっさんになっていなくて、ゴッドファーザーパート3くらいのときの感じ(「セント・オブ・ウーマン」より新しいのは意外)。ロバート・デニーロも、おっさんにはなったけど、まだまだ好々爺の役はできない鋭さ。
やたらと銃撃音のボリュームが大きい映画だ。しかもフィル・スペクターの楽曲みたいにすごいエコーがかかってる。それ以外は音声レベル低めなので、毎回ドキッとします。すごく評価が高いけど、アル・パチーノにもロバート・デニーロにも銃撃戦にも、どうも既視感があるのは、これ以外のいろんな映画を見すぎてしまったからだろうな。この映画自体が影響を与えた、後の作品も含めて。
映画の中盤にやっと、パチーノvsデニーロの場面。キャラが強すぎる二人の目力に火花が飛びます。この組み合わせは、ストーリーを語る上では、緩急がなさすぎてダメかも。 頂上対決すぎて話してる内容がちっとも頭に入ってこない。
現金輸送車、貴金属倉庫、銀行、と襲撃しては辛くも逃げおおせ、裏切った仲間を襲い、高跳びを試みる。…普通の映画なら1,2回のところを3回リピートして、もうこれ以上は逃げられないのでは、というところからまだ逃げる。そろそろ中年に差し掛かってもデニーロの身のこなしは美しい。(怒られそうだけど(誰に?)私の中の最高のデニーロは「ブラジル」の身軽でキレキレの修理工なんだよな…。)
2人が滑走路の荷物の影を追いあうラストシーンは、ちょっと映画史に残るくらい美しかった。世が世なら最高のライバルとしてやっていけた二人なのに…つってもギャングどうしでも警官どうしでも両雄並び立つことのないグレイトすぎる二人。二人とも俳優でほんとによかったよ…。