映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

イングマール・ベルイマン監督「魔術師」2464本目

馬車が木立の向こうから走ってくると、その背後から夢のように美しい陽射しがさしこんでくる。印象的な場面だけど私でも知っているスヴェン・ニクヴィストの撮影ではないようでした。 マックス・フォン・シドーが若い上に「髪を黒く染めて付け髭をつけている…

武内英樹 監督「翔んで埼玉」2463本目

めくるめく魔夜峰央の世界。ビジュアル系とか宝塚とか、もっというと歌舞伎や戦隊ものアニメにも通じる”不自然さの”が体質的に嫌いな人は、はなから見ないほうが良い。この世界に異常に親和性の高いGACKTと、何にでもなりきれる天才二階堂ふみがいれば、すで…

ルネ・ラルー監督「ファンタスティック・プラネット」2462本目

目の赤い、なんか怖いキャラクターのこの映画、ずっと気になってましたが、コロナがらみのAmazon経由シネフィルWOWOW無料ということで見てみました。1973年の作品なんですね!なんとなくモンティ・パイソンのつなぎアニメみたいな品質とテイストなのが納得で…

オットー・プレミンジャー監督「軍法会議」2461本目

ゲーリー・クーパーってどうも私は印象が薄い。日本人的に真面目できちんとしていてちょっと神経質そう。親しみは感じるんだけど、私は映画にもっと破天荒なものを求めてるのかも。 この映画は、プレミンジャー監督がお得意の”けれん味”を極力抑えて、ストー…

ジャック・ベッケル監督「モンパルナスの灯」2460本目

これを借りた理由は多分、宝塚の「赤と黒」を見たからだ。以前見たジェラール・フィリップ主演の「赤と黒」は宝塚にはあるまじき悪党の物語なのに、それを忠実になぞりつつ清く美しい宝塚流にちゃんと完成していた先日の公演はなかなか素晴らしくて、改めて…