映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

園子温「冷たい熱帯魚」149本目

2010年作品。

ここしばらく園子温の映画を続けてみているわけですが、ここ(2010年)までくるといたづらにスプラッターなだけではなく、ストーリーが濃くなってくる。・・・とはいってもじゅるじゅるのスプラッター映画でした。私も、いいかげんすこし慣れてきたよ・・・。

残虐ないじめを受けていたいじめられっ子が、ある日なにかのきっかけでいじめっ子に逆転する、というのは「リリィ・シュシュのすべて」にもあったな・・・。暴力は暴力によって教えられ、伝えられる。

園監督はほんとに、こういうの好きだな。
最後は、若くてエネルギーがぎっちり詰まった強い少女だけが残る。ネガティブなもの、弱いもの、暗いものは淘汰される。

で、好きかどうか・オススメかどうか、という点では、残念ながら最初に見た「愛のむき出し」「ヒミズ」が最高で、この映画はあまり・・・。
ただ、こんなことを言うと語弊がたくさんあると思うけど、実話と違う下剋上な結末にしてよかったです。以上。