映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ダニー・ボイル監督「ヴァキューミング」185本目

2001年作品。
TV映画としてBBCで制作されたものだそうです。

変なかんじの映画・・・なんだけどイギリスらしい、BBCらしい、不条理でありながら日常的で、ありえないけどリアルな作品でした。

掃除機の売上トップになるためには手段を選ばない、超高血圧セールスマン、トミー。「ストリップ電報」をやってた彼女に振られた、DJになりたい若者、ピート。トミーを演じるティモシー・スポールは、ハリポタとかでマンガ的悪役を演じてる、「ああ見たことある」俳優。ピートを演じるウィリアム・ベグリーは、見るからにイギリス人で真面目だけど不器用な若者っていう印象。

強引セールスマンと、とても売れそうにない気弱な新人セールスマン、掃除機を買う見返りに彼らのカラダを求める女たち・・・あさましいのになんだか「がんばれ!」っていう気持ちになってきます。何なんでしょうね、この感覚。そうやってギラギラと生きている彼らが不思議と憎めない映画でした。