映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

テレンス・マリック監督「ツリー・オブ・ライフ」193本目

2011年、まだ新しい作品。

とりあえず予備知識ゼロで通して見た。ドラマが始まるのだろうか、でもその中に「2001年宇宙の旅」のように、銀河に生命の真理を見つけようとしているのかな?

と思いながらじっと見ていて、すっかり映画に取りこまれました。普通で幸せな家庭。父の心が仕事やプライドで傷つき、子どもたちの気持ちが揺らぐ。どこの国のどの家庭にも起こりうる、やさしい場面や辛い場面。

ググってみたら「宗教映画」って書いてあったけど、プロパガンダではなくて、いろいろな宗教にわたって普遍的な家庭、命、愛、といったものがテーマだと思います。

ネットで回ってくる、ちょっとはっとさせられるような美しい動画、心を打つショートストーリー、といったものを大きくして完成度を高めたような映画なので、抵抗なく入っていけたし、小さいころの夢をみるように穏やかに、ほんの少し切ない気分・・・アルファ波が出て、瞑想しているような、催眠状態になっているようないい気持ち。

理屈や利害のことで頭を使ったあと、少しくらいこういう時間をもつのは必要かも。

賛否両論?これはいい映画なんじゃないかと思うよ。うん。