映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

西川美和監督「ゆれる」196本目

2006年公開作品。

これは、面白かった。見応えがありました。
オダギリジョーから染み出す、(どうでもいいよ)感、香川照之の(真面目にしかできない)感じとかがよく出ています。役者さんそれぞれの、よく知られた特徴と、あまり知られていない弱点をうまく利用した、腹黒い作品って感じです。

「法廷ドラマ」に分類してもいいのでは。役者さんたちの特徴をまったく知らない外国の人たちは、それに類するものとして楽しめばいいんじゃないかと思う。

「ディア・ドクター」のリベンジとして見たんだけど、「ゆれる」を見て思うのは、「ディア・ドクター」はやっぱり、この監督の映画をすでに何本か見て、この人はこういう映画作りをする人だと知って見ないと難しいということ。

絶対「ディア・ドクター」よりこっちのほうが完成度が高いのに、なんであっちがキネ旬1位なの?(主観)