映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フランク・キャプラ監督「スミス都へ行く」405本目

いい映画だ!
友達や家族や子どもたちに見せたい映画です。

1939年、第二次大戦前の作品です。
今と違って、小さい子どもたちが思い切り労働してる。
今みたいにいろんな民族、いろんな利益団体の人たちが議員をしてなかったかもしれないし、「巨悪」が全利益を簡単に操作できた時代の話なのでしょう。
いろんな証拠品の鑑定技術も今とは違うし、議会はテレビ中継かネットでリアルタイムで情報共有される。
…という違いがあるから成り立つ作品なんだろうし、今だったらどうするだろう?と考えたりするけど、夢や理想を追い求める気持ち、人を陥れたり私利私欲に走ったりすることは許されない、というすごくシンプルな理念がこの映画の普遍性なんでしょうね。

議会でのやりとり、自由と平等を信じてアメリカ建国の人たちが書いた憲法に立ち戻って、議員たちの良心に訴えかける過程は、勇気を与えてくれます。

フランク・キャプラってほんと人道派だなぁ。きっとすごく苦労したから正義や愛情を貫くことの大切さがしみ込んでるんだろうなぁ。

31歳のジェームズ・スチュワートが初々しく、頼りない若者らしいです。この謙虚さを保ち続けたところが、この俳優さんのすごいところなんでしょうね。