映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ポン・ジュノ監督「スノーピアサー」648本目

「今年はあんまり映画見ません」宣言してから、けっこう映画館に行っている。ふしぎだ。
この映画は、同じ監督の「グエムル」が面白かったので見てみました。
主役級はハリウッドの人たちだけど、天才エンジニアの韓国人としてソン・ガンホ、その娘にコ・アソンとグエムルの二人も出てます。

スピード感はグエムルのときと同じ。グエムルのときの二人はとてもいいけど、ソン・ガンホの登場シーンが、ちょっとテンポがくずれるほど長くて、よくない。破綻しそうなくらい逆に短いのが、冒頭の氷河期の説明と、ウィルフォードによるギリアムとの関係の説明と、カーティスによる生存競争の説明。かなり重要な転換点なのに、ちょろちょろって口で言うだけで済ませちゃってるので、「おおお〜〜〜っ」って仁王立ちして号泣するほど胸に来なかった、のが残念。

走り続ける列車(止まっちゃいけない理由がわからない)の中にいるのは、見たところ、”賤民”的な無賃乗車の人たちと、ファーストクラスの貴族のような人たちと、従業員だけで、中間が存在しません。いろんな切符があったはずなのに〜。この辺の無茶な設定は、まあいいんだ。映画だし。「永久機関」ということばが出てきた時点で、機械の身体をもらいにいく銀河鉄道999よりもはるかにありえない世界だから。

長々書いてますが、期待しただけにちょっと残念でした。