映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

熊切和嘉 監督「私の男」873本目

難しい映画だった。
最初流して見て、「なにこの血、上で誰か死んでるの?」とか「流氷ずいぶん大げさでは」とか思ったんだけど、次は正座して凝視してみた。そうすると、赤い血を流す気持ちが少しわかった。

あの二人は確かにそこに存在しているけど、共感できないのは、彼らが私の想像の先を行っているからだと思う。役者が、だけでなく、映画全体が。私にはまだわからないんだけど、何か真摯なものがあるんじゃないか、という期待がある。

この監督の、これより前の作品を見て、考えてみたい。