1953年の作品。
デジタルリマスターで色鮮やかに蘇ったものを見ました。
確かに豪華な打掛も、透き通った紗のカーテンも大変美しいです。
これを初めて見た欧米の人たちは、私が初めてグルジアの「ざくろの色」を見たときのような驚きと感動を覚えたのかな。
自己チューなお侍(侍は当時みんな傍若無人だったとも思われるけど)を演じた長谷川一夫という人は、もう少し線の細い人なのかと思ってたけど、三船敏郎が演じてもいいような、汗と脂たっぷりの役どころです。
京マチ子は今回も「お多福」のモデルではないかと思われる容貌、美しいというかなんというか。
妻の怪しい言動を疑いもせず、従う夫はちょっと不思議。
立ち居振る舞いやセリフの発声が、歌舞伎みたいで見づらいです。
ストーリーは、80分強という短時間にまとめるためか、クライマックスだけ(それもまた歌舞伎みたい)です。
最初から歌舞伎座にいるつもりで見ればよかったのかな…。
昔はこういう映画が作られていたんだな、と勉強になりました。