映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督「トゥルー・グリット」1028本目

これは面白かった。
勇敢で可愛い少女が主役の映画って、いいですよね。血で血を洗うような内容でも、清潔感が出て後味がいい。
コーエン兄弟の映画は本当に、人物が生きてますね。長所短所というより、匂いのような”その人らしさ”がみっちりと詰まっていて、動きや言葉の一つ一つに滲み出してる。

ジェフ・ブリッジスって、絶対日本で若い女性映画ファンとかに人気が出なさそうだけど、どうしようもないのに芯がキレイなこの感じ、最高ですね。
ヘイリー・スタインフェルドのまっすぐな強さ。「エンダーのゲーム」で、あの娘誰?って思った彼女は、この映画のヒロインだったのですね。
マット・デイモンも、この映画では二枚目度低めでキャラ強め。
ネッドとチェイニーもとても良かったです。

結構残酷な場面も多いので、そういうのがダメな人にはお勧めしないけど、コーエン兄弟らしさもあり、かつエンタメ性も高い作品だなと思いました。
最後の最後にごくわずかに登場する、彼女のその後(老後?)の場面は、あっけなさすぎるような、なくてもいいというかないほうがいいような、ちょっと複雑な印象でした。