映画監督がドキュメンタリーを撮るためにタクシー運転手に扮して町を流す。違法だよな~、けが人が乗ってきたりするしな~、でも、そもそもこの監督は映画製作も出国も禁じられてるというので、もういいやって感じなのかな。
と思ってたけど、これはモキュメンタリーだな。面白いエピソードが続きすぎる。
たまたま乗った、映画好きの小男。この容貌の男を覚えてないってのはあまりなさそうだ。彼らがクロサワまで見ていて映画に詳しいのに驚いてしまいますが、彼が宅配してるというDVDは海賊版なんだろうなー。
たまたま金魚鉢を持って乗った女性ふたり、たまたま急ブレーキを踏むと金魚鉢が割れてしまったけど、たまたまトランクに積んでた水とビニール袋で金魚を救出。
1時間も待たせてしまった、こまっしゃくれた姪っ子。サバサバした感じの弁護士の女性。彼女のくだりが一番、監督のメッセージなんでしょうね。
最後に、車を降りた後に、ガラスが割られて録画を続けていたカメラが盗まれる、というオチがつきます。メモリーカードを落として行った、みたいな演出も。
なかなかのアイデア作品で、面白かった。原題の「Taxi」に「人生」を付けちゃうところが、最近の配給会社のセンスというか流行なんだろうな…(「さよなら人類」「ホモサピエンスの涙」的な)