映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

セルジオ・レオーネ監督「ウエスタン」3146本目

原題はOnce upon a Time in the West。(完全版はこのタイトルで公開されたのね)なんか郷愁のあるタイトル。リアリティよりファンタジーに近い昔ばなしが始まります。だってチャールズ・ブロンソンがハモニカ拭きながら現れるんだよ。小林旭のギターはこういうのから来たのかな。ハモニカのほうが小さくて良い。

セルジオ・レオーネ監督がこの後に撮った「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を思い出してみるにつけ、古き良き血なまぐさき時代を、かつて荒くれものだった老人たちが懐かしむファンタジーという共通点がありますよね。一貫している。

私は西部劇はだいたい苦手だけど、それは早打ちの決闘とか意味のなさそうな乱射が多くてあまりにも荒くれてるから(同じ理由でそういう作りのヤクザ映画も苦手)なので、この映画ののったりとしたムードは逆に大丈夫でした。マカロニウエスタンって、リアリティ薄めで、アメリカ西部の雰囲気を味わうものなのかな?やたら壮大で、あの頃の俺たち…みたいな懐かしげな思いが感じられる映画でした。

ウエスタン (字幕版)

ウエスタン (字幕版)

  • チャールズ・ブロンソン
Amazon