すごくよく出来てた「シティ・オブ・ゴッド」の続編ということで見てみた。
全然感触が違う。こっちの画面のほうが慣れてる…日常を撮った感じがする。「ゴッド」はおもちゃみたいな公営住宅が舞台だったけど、今度は山腹に沿って建つ違法建築のスラムが舞台で、荒れたリアリティを感じる。主人公は最初から大人だ。つまり、「シティ・オブ・ゴッド」も見る前はこういう映画を予想してた。あっちは全然違ったけど、こっちは予想通り。悪くはないけど、ちょっと肩透かしを食らったような感じを勝手に持ってしまうな。
犯罪に手を染めて、縄張りと権力を争う父親たちの映画だから、「シティ・オブ・メン」。女たちは成長して男に愛されて子どもを産んで家で育てる。
「ゴッド」も「メン」も、主役はアフリカ系だ。インディオや白人(ゴッドの新聞社には多かった)は、いるけど多くはない。これが現実の割合なのかな。
山に張り付いたスラムも、住めば都なんだろうか。少なくとも、明日殺されることを恐れてびくびくして神経質に暮らしてる人はあまりいないみたいだ。生命の大切さって何なんだろう。先進国的な道徳ってどれくらい本当に普遍的なんだろう。
映画はこうやって価値観をゆさぶってくれるから、見る意味があるのだ…。