映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ハワード・ヒューズ監督「地獄の天使」3699本目

前に一度見てるけど、ほとんど覚えてないや・・・。

1930年に第一次大戦のパイロットを描いた作品。戦場という地獄で男たちに夢と安らぎを与える女が天使。この天使を演じたジーン・ハーロウという女優さんはマリリン・モンローの前のセックス・シンボルと言われたらしいけど、この映画ではあまりにもそのままな、ニンフォマニア的な振る舞いで、多分女の敵と呼ばれるんじゃないかな、という感じ。

酒場で彼女にほんろうされたロイはその後戦場で活躍するも弟モンティと共にドイツ軍の捕虜となり、自軍の秘密を話しそうになる弟を撃ったうえ自分も銃殺される。英国軍を守るために犠牲になった純真な若者・・・という筋立て。

2時間の作品だけど、なんとなく長ーく感じる。3時間くらい見たような。で、一番印象に残るのは、(ジーン・ハーロウの肢体もだけど)今見ると原始的に思える戦闘機が大量に空で戦う場面。何機か、ほんとうに墜落するんですよ。パラシュート開いた?開いてないな、しかも1機の映像の使いまわしではなく何機も落ちてる。特撮もCGもない時代の作品なので、それが心底恐ろしい。Wikipediaによると、実際3人のパイロットがこの撮影で亡くなったとのこと。撮影技術はまだまだ未発達とはいえ、「トップ・ガン マーヴェリック」よりもある意味迫ってくる戦闘シーンでした。

地獄の天使(字幕版)

地獄の天使(字幕版)

  • ベン・ライオン
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