映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

阪本順治監督「冬薔薇」3698本目

ほかの方々もわりと低めの評価の方がけっこういらっしゃいましたが、私もあまり高く評価できないな~と思いました。

阪本監督の作品は、大好きなもの(「顔」とか)と、そうでもないものの差が私はけっこうあります。この作品は、小林薫と余貴美子の夫婦の演技にあまり共感できなかったのと(受け身で何もアクションを起こさないのが自然に感じられない)、伊藤健太郎も終始ちょっとびっくりしたような顔でいて、ダメでいる彼の裏側に、傷ついているとかわだかまっているとか、心理的なバックグラウンドが感じられなくて。一方、自分の弱さを棚に上げることがとても上手になったワルの連中のワルっぷりは良かったんじゃないかと思います。

阪本監督って、ダメ男のよさを愛しすぎてる?私にはそこまで彼らを愛してあげることはできないから、共感度が高まらないんじゃないだろうか。伊藤健太郎の彼特有の魅力がそもそも、私にはまるきり見えてこないから・・・。なんでこの人が主役なのかな、というくらい、ピンと来てない。相性の問題かもしれません、すみません。

冬薔薇

冬薔薇

  • 伊藤健太郎
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