1954年のイタリア映画。
ちょっと足りない女、ジェルソミーナ。彼女を引きまわす旅芸人の荒くれ者ザンパノ。荒くれ者なので、愛を知らない。何でも茶化す綱渡りの青年に腹を立ててしまい・・・ザンパノは1人になってしまい、ジェルソミーナを思って泣く・・・。
彼は「荒くれ者」キャラなのでこの映画の中では鈍感で当然なのですが、現実の世界で普通に暮らす人たちだって、失って初めて大切さに気付くものってたくさんあります。貧しさや旅の孤独がそれを強調してくれて、見る人がみんな切なさを思い出して涙する、そんな映画でした。
昔から名画と聞いていた作品です。ちょっと足りないジェルソミーナを演じたジュリエッタ・マシーナはこのとき33歳。写真を見るたび、このジェルソミーナってのは子どもなのか大人なのか、どういう役柄なのか?と思ったものですが、映画を見ても、決して彼女は頭が弱い人には見えないし、けっこう年も行ってるし、実はベストキャストではないのかも?という気がします。
綱渡りを演じたリチャード・ベイスハートはとても素敵です。彼は世の中を達観していつも笑っている。ザンパノとジェルソミーナの二人に真理を伝えて、去っていく天使のような役割です。ザンパノは体力頼みの大男だけど、どこかもろさを感じさせるところが、アンソニー・クインの演技力なのでしょうか。
やっぱりジェルソミーナに違和感があったな・・・。以上。