2004年作品なのですね。
今更この映画を見るにあたって、若干、あまったるい先入観を持ってしまっていたけど、なかなかよくできた映画だと思いました。
これは、特別ロマンチックな恋愛を描いたのでもなく、愛する人を亡くす悲しみを描いたのでもなく、誰にでも必ず訪れる愛する人との「別れを、きちんと乗り切る」ということを描いた映画なんですね。
人は必ず死ぬ、それもそれぞれ違うタイミングで寿命が来るので、どんなに愛する人とも別れなければならない。誰にとっても必ず辛いことだから、世界中のどの国にもどの民族にも弔いという儀式がある。
これが遺作になった篠田昇というカメラマンのこの前の作品には、私の好きなスワロウテイルやリリィ・シュシュがあって、なるほどそういう抒情があるのだなと思いました。
長澤まさみが清楚で美しい。ちょっと健康すぎるかな?大沢たかおと森山未來(似すぎ)は普通の高校生らしい不器用さと純粋さをよく表現しています。
もう柴咲コウはメッセンジャーの役割を果たす必要すらなかったんじゃないかな、とも思います。原作のナイーブさゆえに心を打つけど、玄人が見てニヤリ、という味わいはないのかな。ちょっとケータイ小説っぽいわかりやすさだけど、私こういうナイーブさ嫌いじゃないです。以上。