「いちご白書をもう一度」の「いちご白書」。
「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」に出てくる「卒業」と同様、こどもの頃に大人の世界として憧れたものをやっと見られて嬉しいです。
とても新鮮ですね。普通のあっけらかんとした若造が、わりとたまたま、好奇心で学生運動に入り込んでいって、予想外に傷つけられてしまう。学校が悪い、社会が悪い、警察が悪い、というより、好奇心半分で危険な活動に飛び込んでしまって痛い目にあう若者、という印象も受けます。だって、学長室を占拠とかいって中で遊んでるだけなのが何かの”活動”なのか?って気もするし。
その一方で、大人としてこの映画を見ると、若気の至りで反抗した若者たちをここまで痛めつける必要がどこにあるんだろう?この国には信じたいことを信じる自由があったはずなのに、おもしろくないというだけで、管理するものがここまで残酷になれる統治のやり方を恐ろしく感じます。
音楽もとても新鮮。ニール・ヤングも、「サークル・ゲーム」も、そのほかのこの頃の初々しいアメリカの音楽が美しく流れます。Thunderclap Newmanって人の「Something in the Air」がいちばん気に入った。
二回見たら、最初のほうのおちゃらけた学生の感じがあまりに無邪気で、なにか悪い気配が漂い始めてることにまったく気づいてないことが切なく思えてきた。最後の執拗な警察の暴力は、やっぱり、この頃に起きた、警察に学生が殺されてしまった事件を示唆してるのかな。
わたしはこの人たちの無邪気さがとっても好きだ。黎明期のマイクロソフトとかグーグルとかと似たような感じ、じゃないかな??