映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ギャスパー・ノエ監督「LOVE 3D」1407本目

3DじゃなくてDVDで見ました。
ふむ。確かに修正が強すぎて、生々しさはほとんど伝わってきません。
愛とセックスと、純粋さと邪心を真正面からテーマに取り上げた勇気を讃えたいと思います。
思ったほど背骨に響く怖さはなかった。愛を”こじらせて”相手も自分も見失ってしまった二人の物語でした。
バリエーションがあるとはいえ、やってることはみんな同じようなことだし、現実に行うことと、現実のように演じることの違いはそれほど大きくない気もする。誰でも苦しい恋をして空っぽになったことがあるんじゃないんだろうか。

どうしても他の女性を含めた行為をしてみたい、とか、コカインをやってみたりすることと、相手が妊娠したことをそこまで潔癖に拒絶するのか、ということが、相手の男性には矛盾に思えるのかもしれない。
若くてまだ自分が定まってない男が過ちを犯すこともあるし、それを許せないこともある。誰が悪いとかじゃなくて、壊れてしまうことってある。

この映画の言いたいことは多分、愛する人を見つけたら決して手を離すなってことだと思った。
つっても失敗するときはするんだけどね。