1933年の作品。こりゃ面白い。すごいお金をかけてるし、大力作。
「イントレランス」とか「國民の創生」みたいな、巨大なセットが見応えあります。そういう創世記の映画の人海戦術的な作りと、近代的なパニック映画のストーリー構成が共存しているのってあまり見たことがないので、グイグイ引き込まれます。未開の島のロマンも、大都会の超高層ビルも、戦闘機も、貧しくて美しい娘と船員のロマンスも・・・「全部入り」と言ってもいい感じ。
キング・コングの動きは黎明期のGIFアニメみたいにカックカクだけど、逃げることなく真正面から取り組んでいて結構よくできています。解像度の低いモノクロの画面なので、リアルと虚構の境目が見えにくいのもプラスに働いて、十分怖い!
コング対ティラノザウルス風の巨大生物の場面は、ほぼすでに「ゴジラ対キングコング」で、この時の恐竜にステゴザウルスの背中の棘を付加したのが1954年のゴジラと言っても過言じゃないんじゃないか。
この映画には原作がなく、コングの発想はこの映画のクーパー監督(メリアンといっても男性)だったらしい。コングの造形はほぼ完全に「巨大なゴリラ」ですね。
妙に人間的な彼の表情を見て、(コングかわいそう・・・)と思った当時の人も多かったんじゃないかな。
いやー名作。これは映画好きならみんな見るべき!
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