映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

スティーヴン・フリアーズ 監督は「あなたを抱きしめる日まで」2005本目

レジェンド、ジュディ・デンチが「瞼の母」をやるらしい(昭和それも初期のことばだな)という予備知識だけで身始めました。でも、 もしかしてこれは・・・先月見た「オレンジと太陽」と同じテーマか?(そっちはイギリスからオーストラリアに強制労働に出された子どもたちのお話)それだけじゃなくて、ちょっと前にオーストラリアに行ったときには、メルボルンイスラム教会で女の子たちが女性教師によって陵辱を受け続けて、自殺者が出たいうニュースをやってました。オーストラリアはこのニュースで持ちきり(日本ではニュースバリューがなかったようだけど)で、要は、カトリックだけじゃないということ。世界中の色々な教会の中で、もっとも弱い人たちが誰かの信仰の犠牲になり続けてる。

007ではあんなに怖いジュディ・デンチが、この映画ではこんなに普通の田舎のおばちゃんだ。すごい女優さんだなぁ、本当に。気のせいだとわかってるけど、歳をとるとどんな役でもできるようになるんだろうか、などと思ってしまう。

この映画は事実の持つパワーと彼女の演技だけで相当の点が稼げるなぁ。でも回想シーンでしか出てこないアンソニー=マイケルを演じたショーン・マホン(※KINENOTEではクレジットなし)の優しげな表情も胸に来るんだよな・・・