高度成長期の日本の、大企業で仕事や接待にいそしむやり手サラリーマンと、ホステス。
ナイトクラブではジャズ演奏の前で、ローラースケートを履いて踊りながら歌う(口パクだけど)、北原美枝。こういうショーを本当にやってたのかな。「太陽の季節」と同じ年の作品です。
クラブ通いのサラリーマン、三橋美智也の”ちょっと頭が弱い”妹役の芦川いづみがまた、可愛い!彼らの父親役は森雅之。老人のようなたたずまいだけど、このときまだ45歳。精悍な壮年です。
ホステスは新珠美千代。この手の役どころ多いなぁ。男あしらいがうまいけど、特定の男に執着するかんじが、素敵なひとなのにどこか痛々しい。その一途さが結局、命取りになってしまいます。
それにしてもひどい男たちだよな~。でもこの時代だけがそうというわけじゃなく、今もひどい男はたくさんいます。これからはむしろ、「人の気持ちがわかる人・わからない人」を科学的に分類して、わからない人とのかかわり方を考えていくべきなんじゃないか、なんて思ったりして。そうでもしなければ、一方的に思い入れる人たちがとてつもなく傷つくことは減らないんだろうな、と。
今回もまた、川島作品は傷ついた人たちへの温かい視線が残る映画でした。