1966年の作品。
地味な白黒の画面だけど、アニメーションが混じったりクロマキーといった新技術がさらっと使われていたりして、なかなかオシャレで小粋。主人公は小林桂樹ですからとことん平凡な一般人で、その人が書くから日常が面白い。
岡本喜八監督って、これでもかこれでもかとグイグイ押してくる濃い作品ってイメージだけど、こういう市井の普通の人たちを描くといいですね。薄い素材を、適度な濃さに濃縮してくれるというか。
新珠三千代が、明るくてすっきりとしたとってもいい奥さんなんだよな。こんな人なかなかいないよ!
それにしても主人公は、二日酔いしてすぐ会社を休んだりして、今はもうそういう人ってあんまりいないよね、と思うとちょっと寂しいです。
とっても楽しめるし、いろんな工夫があふれていて、この先なんども思い出しそうないい作品でした。