映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

デヴィッド・O・ラッセル 監督「スリー・キングス」3111本目

ジョージ・クルーニーとマーク・ウォルバーグだから辛くなるような深刻な戦争映画ではないはず。監督は「世界にひとつのプレイブック」や「アメリカン・ハッスル」だし。と思ったけどけっこうキツイところのある作品だった。アメリカ軍から武器を与えられて戦う現地の人たち、何のために殺し合ってるのかこの人たちは。

金塊探しは戦争ですでに精神が高揚しすぎた軍人たちの悪いあそびか?

トロイ(マーク・ウォルバーグ)を追いかけるコンラッドを演じてるのは、あのスパイク・ジョーンズじゃないか。徹頭徹尾、明るくて能天気な男だ。こういう奴がやられるのだ。アイス・キューブは強面で堅いイメージ。けっこう映画にも出てる人のようだけど、彼が出てる映画はあまり見てないな…。

遊びのところどころに、現実の厳しさをちりばめた感じの作品だったな。テーマがシリアスな作品は、自分なりの理解の仕方とか”落としどころ”をどうしても考えてしまうけど、この作品ではそこが見つけにくい。完全に批判的に作り上げてしまうと上映できなくなるから、だいぶ和らげてあるのかもしれない。

20年も前の作品だけど、今年作られたといってもおかしくない感じ…音楽の使い方(エンディングがU2とか)がちょっと時代を感じさせるくらいかな。軍人の恰好をしてると出演者たちの年齢もわかりにくいし…。 

スリー・キングス (字幕版)

スリー・キングス (字幕版)

  • ジョージ・クルーニー
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