映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ローレンス・カスダン 監督「白いドレスの女」3113本目

 ウィリアム・ハートいいですよね。優しげでちょっと気弱そうで。一方の白いドレスの女、キャスリン・ターナー、女性の私から見てもドキドキするくらい綺麗です。豊かなブロンドの髪、ものうげな表情、真っ白いシルクみたいなシャツドレスの胸を大きく開けて、目の前を歩いて行く彼女に吸い寄せられるようです。もうその時点でウィリアム・ハート詰んだ!といっても過言ではありません。弁護士なのに…。

しかし私は、ヒッチコックの作品の中のジェームズ・スチュアートみたいな、完全に無実で正しいのに主人公が巻き込まれるタイプのドラマのほうが怖くて好きかも。男の人の究極の理想はけなげに美しく滅びることで、女の理想は強く生きること、というきがしている。

この映画の悪女がなんとなくぼんやりしてるのは、ウィリアム・ハートを滅ぼすことに終始していていまひとつ彼女自身の個性が見えないからかな。でも悪女には個性なんてないほうが、悪事を働きながら生き抜くのには便利なのかも…。

白いドレスの女(字幕版)

白いドレスの女(字幕版)

  • ウィリアム・ハート
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