映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ロブ・エプスタイン 監督「リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ボイス」3586本目

ボブ・ディランのバックバンドがザ・バンドで、リンダ・ロンシュタットのバックバンドがイーグルスか・・・。アメリカ音楽の黄金時代だなぁ。

リンダ・ロンシュタット、小さい頃すごく好きでした。「お願いだから(How Do I Make You)」のドラムロールからいきなり始まる強いボーカルがめちゃくちゃカッコよかったし、「ブルー・バイユー」ではあまりに感情がこもっていたので彼女が貧しい沼地の出身だろうかと思ってニッケルとダイムという単語を覚えたし、「イッツ・ソー・イージー」「ジャスト・ワン・ルック」等々、買えなかったけどアルバムジャケットの彼女は綺麗で可愛いかった。その後いろいろな音楽活動をして、その後病気で引退したことはうっすら聴いてたけど、あんなに立派にオペラやジャズを歌ったり、一生メキシコで活動してきた人みたいにスペイン語の歌を堂々と歌ったりもしてたんだな。なんて力強い、確固とした人なんだろう。

でも自分の歌に自信がなかった、というのは、彼女がエミルー・ハリスやドリー・パートンみたいな個性的な美声ではなかったからかな。声量や表現力が卓越しているだけでは自信が持てないものなのか。

「悪いあなた」って曲は当時は知らなかったけど、いい歌詞だな・・・「あなたはダメな男、ダメな男、」って連呼するの。これ覚えてカラオケで歌ったら、ストレスたまってるときにスカッとしそう(笑)

ロンシュタットっていう姓がドイツっぽいということは、この映画を見ようと思ったときに初めて気づいたけど、そこまでわかってもまだ彼女がスペイン語の歌が歌えることは想像できなかった。本当に心底、歌が好きで歌いたかった人なんだな。若い頃にいろんな挑戦をして本当に良かったと思う。

こういうドキュメンタリーを見ると、人間ってすごいなというか、この世界にはこんなすごい才能が存在して、私も彼女の歌に胸を打たれた、ということに感謝したくなる。

音楽っていいなぁ。最近私のまわりでバンドやってる人がけっこういるんだけど、私も何か・・・(あ、またいつになるかわからない計画を立てそうになってる)