映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

エドワード・ヤン監督「ヤンヤン 夏の想い出」3649本目

やっと見ることができました。TSUTAYA DISCUSでDVDを借りるのは久しぶり。何年もこの作品を「見たいリスト」に入れてたけど、ずっと品薄で。最近はDVD借りる人が減ったので在庫があったのかな。

やんちゃな男の子の明るい物語・・・のわけないか、エドワード・ヤン監督だもんね。ヤンヤンはマイペースで空気読まない、つよい男の子。大人たちはみんな揺れ動いてるけど、彼だけはひょうひょうとして動じない。ヤン監督の映画のなかの少女は繊細で、傷ついている。彼女たちがシンデレラみたいに幸せになる姿は見られないけど、彼女たちに対する包み込むような温かさが感じられる。ふらふら揺れ動く大人たちに向けるのも、「しょうがないなぁ」というまなざし、かなぁ。

最後にまあまあほっとするのは、アディが生き延びたからだよな・・・。でも隣の女の子の彼氏の事件は「クーリンチェ」を思い出す、ちょっと救われない事件。だけどひょうひょうとしたヤンヤンは、強いまなざしでこれからも強く生きていく。これはそんな彼の映画なのでした。

ヤンヤン 夏の想い出 [DVD]

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