いい映画でした。ウド・キアー演じるパットのちょっと崩れた色気、素敵です。なんでこう、MtoFの人たちは、妬みや悔しさをストレートに出せるんですかね。
腕もセンスも良かったけど毒舌で身勝手で客が離れて行った、往年のカリスマ美容師。彼の最上客を奪った彼のスタッフとの確執。その最上の客が亡くなり、自分の死化粧を依頼していると聞かされ、大枚積まれても、素直にやりますと言えない彼。
ウド・キアーの出演作ってけっこう見てるんだけど、彼という俳優の印象は意外とうすい。確認してみると、「あの映画のあの役の人か!」となるのは、変幻自在な名優だからだろうな。この役もアクが強いけど、ちょっと古臭い美意識にも、プライドの高さも、だんだん憎めなくなってきます。亡くなった彼女も、客を奪ったスタッフも、みんなそれぞれの事情のなかでがんばってきたんだな、って。
LGBTの扱いは自然なんだけど、日本のバラエティやドラマで見慣れた「オカマちゃん」のような感じもしました。