映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ウェス・アンダーソン監督「アンソニーのハッピー・モーテル」3295本目

アンダーソン監督の新作が見たいなと思って、過去作品リストを見てたら、未見の2作ともU-NEXTに入ってたので見てみます。

オーエン・ウィルソンは「ミッドナイト・イン・パリ」の人か。弟ルークはその悪い相棒。似てるよ顔が!ひょうひょうとしたオーエン、”街の乱暴者”っぽいルーク(髪型は軍隊ふう)が可笑しい。もう一人の相棒ボブが途中で”兄がつかまって大変”といって逃走したその兄を演じてるのが、アンソニー・ウィルソン、ということで3兄弟共演なのね。

楽しい、という意味では面白かったけど、まだ「犬が島」的なウェス・アンダーソン節ともいえる「作り物っぽさ」が弱いので、ただ微妙なだけのどっちつかずの作品にも見える…。この作品を激賞したというマーティン・スコセッシほどの慧眼は私には備わってなかった。

なんとかソンという名前の人は全員、祖先が北欧のはずで、この監督の世界にはカウリスマキ監督らに通じる作り物めいた人間像があるようにも思えるけど、実際には何代も前にアメリカに来ていて彼はテキサスの人なので、きっとこれは深読みすぎるんだろう…。