映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

松岡錠司監督「きらきらひかる」11

1992年の作品。薬師丸ひろ子が演じる、アルコール依存症ぎみの女性、笑子。彼女は家でイタリア語の翻訳をしています。豊川悦司演じる、同性愛者の医師、睦月。筒井道隆演じる大学生、紺。笑子と睦月が事情をわかった上でお見合い結婚をするんだけど、睦月と紺はそのまま交際してる。「そんな3人の不思議な関係が、笑子の両親にばれたところから亀裂が生じ・・・」というストーリー。

もう20年近く前の作品なんですね。トヨエツが若いです。
最近よく見てる大昔の映画と比べると、進行がゆるゆるに遅いので、短気を起こしてほぼ全編1.5倍速で見てしまいました。監督さんごめんなさい。この密度の違いは、昔はフィルムが高かったり、映画が誰でも撮れるものじゃなかったという希少感とかによるものでしょうか。

薬師丸ひろ子は、生真面目でバランスを壊してアルコールに頼る女性としてリアルだし、トヨエツはとてもきれいに表面的な笑みを浮かべるし、筒井道隆はいそうな中大生だけど、結局何が言いたいのかわからない映画ではあります。これは原作によるものではないかと思われます。

一番良かったのは、いつも口を「への字」にしたファミレスの店員役の土屋久美子でした。以上。
Amazonのレビューは間違って映画でなく連続ドラマの感想が表示されてるので、ご注意のほど)