映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

増村保造監督「暖流」85

1957年作品。

だいぶ前にTVでやったのを録画してて、やっと最後まで見ました。
「けれん味」っていうんでしょうかね。みょうに時代感のあふれる、今ならキムタクの

演技のような、気取っていてオシャレな感じの“わざとらしさの美”。

ヒロイン野添ひとみの美しさ、左幸子(高笑い)の可愛さ、いつも“へもへも、めけめけ”歌っている(本当に歌っている)船越英二の軽さ、なぜか出てくる美輪明弘の美少年っぷり。全編を通じた主張のなさ、美しい男女が知り合い惹かれあい奪い合う、マンガのような展開から考えて、これは当時のトレンディドラマなんでしょうね。(原作は新聞小説)キャラが立ち過ぎていて、途中までこれは怪獣映画かパニック映画だと思っていました。左幸子がまもなく正体を現して悪の秘密結社の存在が明るみに出る。。。みたいな。

こういう映画ほど、場面場面の印象が強烈でずっと頭に残るんです。名画というのとは違うのかもしれないけど、こういう強烈な世界を見せられるのは嫌いじゃないんだと思います。

DVDは見つからないのでリンクなしです。
こういう映画でも代官山の蔦屋なら借りられるのかな・・・。
以上。