映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

園子温監督「エクステ」147本目

2007年作品。

もう毛だらけボーボーな映画でした。
ジャンルは「ホラー」。本当に怖い「悪の教典」や「バトルロワイアル」が「サスペンス」なら「ホラー」は何だ。答:コメディでした。なんだよー、見る前すごく緊張したのに〜。これは「ノーパンツガールズ」に近い作品かもしれません。ホラーコメディ、というのが適切では?

最初から、登場人物どうしでくどくど説明しあうセリフから始まるあたり、大むかしの学園ドラマのパロディみたいだし・・・
体中からボーボー毛が生える女の子(死んでる)を、大杉漣がお人形みたいに可愛がるし・・・

エクステってものを手にしたときに、「これって誰の毛だろう」って考えるとキモチわるくなってきて・・・で、この映画の構想が浮かんだのかな?男性は女性の髪になにか特別なものを感じるのでしょうか。(男子小学生にとってのスカートめくりのようなもの?)

子どもを虐待する壊れた親は、「愛のむきだし」「ヒミズ」等にも出てる常連さんです。「かわいそうな子どうしのシンパシー」という設定が必要だと思ったのかもしれませんが。

それにしてもこの映画は長く感じたなぁ。笑わせたいのか、怖がらせたいのか、定まらない感じ。こうなる理由は多分、役者さんたちに監督の意図が感覚的にじゅうぶん伝わってないからじゃないのかな。

冗談にしては、いまひとつ面白くないかな・・・。という印象でした。以上。