映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

石井裕也「ガール・スパークス」153本目

2007年作品だと思う。

これは監督デビュー前の作品ってことなのかな?
川の底からこんにちは」が面白かったので借りてみたけど、美大の卒業制作のような作品でした。「川の底」の習作って感じかな。

下を向いてぼそっと「ちょーむかつく」って言う滑舌の悪いせりふとか、出演者ほとんど目が泳いでるかんじとか、プロの作品って感じがしないです。ただ、聞きやすい言葉にはないリアリティを求めた気持ちは、伝わってきた。

無軌道な「少年」ではなく「オンナノコ」にしたのが面白いし、工場のどうしようもない人たちの中で、変わらずに今のままであることに確信を持ち始めるという視点が、新しくてかつ必要とされてるのだと思います。

主人公の女子高生の、広いほっぺの不満気な表情が可愛い。うまいか下手かというと下手かもしれないけど、ここまで滅茶苦茶やれるのは素敵です。以上。